2023年12月26日付で、無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)が改訂されました。これにより、人口集中地区以外の目視外飛行において、2015年12月10日以来(2022年12月5日以降は明確に)不可とされていた、一時的な道路上空の通過が可能になります。久しぶりに本当の意味での「改正」が行われたという印象です。
従来のカテゴリⅡ・目視外飛行における飛行の承認では飛行区域の立入管理措置として、補助者の配置、ドローンの飛行区域である旨を伝える看板の設置、道路横断前の一時停止等・・・、何のためにドローンを使って作業をしているのか分からなくなるような追加基準がありました(法律条文に書かず、禁止された行為の許可を出すための追加基準として設定して、監督省庁に裁量を持たせているので余計にタチが悪い)。これが、一定の基準を満たすと従来の立入管理措置を撤廃するという改正です。
なお、第三者の往来が無い状態にある道路の他にも軌道(線路)や航路も同様の扱いになるとのことですが、線路については軌道敷の土地管理者が鉄道事業者であることから、手続き的には従来と大きくは変りません。海上航路につては港則法・海上交通安全法で定められた場所が対象になります(チャートに載っています)。海上保安庁より、航路上空の無人航空機の飛行については、航行する船舶の往来を妨害しなければOK(何かあれば往来妨害罪で刑事訴追できる)という通達がすでに出ているので、あくまで「道路上の通過」に拠る部分がメインです。
先日News頁でお伝えした、パブリックコメントの結果も公開されています。
無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領等の一部改正案に関する意見(パブリックコメント)募集の結果について
内容を見ていると、ドローンユーザーの属性がこの2年ほどで大きく変わってしまった印象を受けます。恐らく2015年以前からドローンを使った事業を行なっている層は、完全にマイノリティになってしまったことがわかる内容のパブコメになっていました。そして一番絶望的なのが、無人航空機の定義を国際基準と合わせる(100g以上を250g以上に改正する)ことを求める意見があったものの、サクッと否定されているためドローン利活用の場を広げるという意味では、やっぱり厳しい環境が続くという事実は変えられない気がします。
しかし、こと目視外飛行に関しては、2015年末の法規制施行後も飛行承認の審査基準の改訂や法改正によって、比較的頻繁に規制緩和と強化が行われ続けている飛行形態ではあります。実際に、レベル1〜4の飛行用途で言われている目視外飛行と、航空法規による目視外飛行では「目視外」のニュアンスが異なります。これが、何を以って目視外か否かを判断するのに誤解を招いている節が見受けられます。ちなみに、レベル1〜4の飛行用途で言われている目視外とは、飛行に関わる全人員の誰か1人の監視下にある状態のことを指しており、航空法機による目視外は、飛行中のドローンを操縦者の直接目視による監視下にある状態のことを指しています。
ちなみに、レベル3.5に準じたカテゴリⅡの承認を得るにはいくつか条件があります。
これらを満たした状態で申請を行うと、レベル3.5に当たる目視外飛行の承認が得られます。飛行の実施に際し作成が必要な資料としては、
が挙げられます。
制度だけが先行してしまい、「民間の技能認定証と効力が全く変わらないではないか。」という至極真っ当なツッコミをされていた無人航空機操縦者技能証明書がようやく日の目を見ることになりました。
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