2023年9月16日(土)〜18日(月)の3日間に渡って、相模湾で開催されたヨットレース「逗子レガッタ2023」のオフィシャルメディアとして、レースの空撮を担当しました。
三浦半島の付け根にある逗子マリーナを拠点に開催されるレースは、相模湾内に位置する江ノ島、葉山、小網代からもヨットが集まり、3日間で7レースを戦います。
本来この時期は気温30℃を越えるようなことはなく、心地よい秋風の中でレースが出来るものだと、地元ヨットクラブのメンバーが言うくらいに季節外れの暑さに見舞われました。3日間の日程の内、初日は程々の風でレース参加者にとってはちょっと物足りないコンディション。本当は朝から続く無風がお昼過ぎまで続くだろうと予想されていたので、海上待機の覚悟でレースエリアへ移動。
今回のメインカメラを務めるドローンはDJI Mavic 2 Zoom。2018年から2021年まで販売されていたドローンですが、まだまだ現役。特にハードコンディションでの飛行が想定されるような今回の様な撮影では、現行機種の過剰とも言える飛行補助機能や保護機能は、かえって操縦操作の邪魔になることがあるので、Simple is Bestということで。
1kg未満の小型機ながら光学ズームレンズを搭載している唯一無二の存在で、擬似的にズームを再現している最新のMavic 3やDJI Mini、DJI Airのシリーズでは映像の仕上がりが違ってきます。
案の定風が無いわけですが、予想よりも早く伊豆大島の方向からの風が相模湾東方海域にも広がってきたので、予定よりも30分遅れ程度でレースが始まりました。
ドローンを飛ばすのには風が弱いに越したことはないのですが、ヨットレースは反対に風がないと成立せず、最低でも6kts(1kts = 約0.5m/s)以上は吹かないと実施されません。ちなみに、ドローンの屋外講習では6kts超えると中止判断が入ったりするので、推奨天候は完全に相反するこの二つ。
ちなみに、水辺でドローンを飛ばす際の風の目安として、海面の波の立ち方を見てたりします。
羊が出てきたらドローンの飛行は止めた方がいいです。
最新の技術を駆使して作られたレース艇のセール(帆)の多くがカーボン製。スタート直後に綺麗に並んだ姿は壮観そのものではありますが、裏に回り込むとドローンのライブビューが乱れてしまうのは考えもの。
初日は風上と風下にブイを浮かべて、指定された周回コースを回る1時間程度のレースでしたが、2日目は江ノ島沖に設置したブイと、三浦半島の南に位置する城ヶ島の沖合約4nmに設置されている魚礁施設浮標灯を回るロングコース。モーターボートでレース艇に伴走しての撮影です。
この日も朝から天気は良く、初日と比べて風は強めの予報。葉山沖をスタートしたレース艇は一路江ノ島沖のブイを目指します。
ドローン撮影でもヨットレースでも、風の予報を見るのに広く使用されているWindy。ECMWF(ヨーロッパ中期予報 9kmメッシュ)、GFS(アメリカ海洋大気局 22kmメッシュ)、ICON(ドイツ気象局 13kmメッシュ)の3モデルの気象予測データを見ることの出来るアプリで、短期間の予報であれば無料で使用できる優れもの。
Windyさん曰く、昼から20kts近く吹くから早いペースでレースは進むだろうとのことで、相模湾東部をぐるっと一回りを追いかけながら撮影。15艇の参加艇全てを収めることがこの日のミッション。
「富士山をバックに見る江ノ島」。広告商材などでも出てきそうなロケーション。テキストだけでも情景を思い浮かべられる人も多いのでは?
ただ、相模湾で活動するセーラー曰く、「富士山が綺麗に見える日は碌な目に遭わない。」実際に、過去相模湾で富士山が見えていた2回中2回、強風と高波のハードコンディションに見舞われてます。
あ、・・・
前日のミーティングでも明日は20kts前後まで風が吹き上がり、南西風2日目で波もでてくるだろう。との予想はしていたものの、最終日の朝、マリーナに赴くと吹いてるわ吹いてるわで、アグレッシブな映像に期待大ではありながら、予報を確認してみると午前中は15~20kts、正午から午後にかけて18~26ktsの予報に変わり、ドローンでの撮影どころかレースそのものの中止も想定される事態に。それでも午前中は予定通りレースを実施できるだろう。
とのことで、海に出てみると、思ったほど吹いていないし波もそこまで高くない。時間が経つにつれ富士山も雲に隠れて見えなくなり、ウサギが飛ぶくらいのコンディションではあるものので結局10~18kts程度の風で収まってセーリングも空撮もいい感じのコンディションに終始してくれました。
3日間に渡り撮影にご協力いただいた運営スタッフの皆様、ありがとうございました。
ビジネスシーン向けの認定証取得を目指せる「プロフェッショナルコース」と、趣味でドローンを楽しみたい人に向けた「パーソナルコース」の2コースをご用意。国土交通省登録講習団体にも指定されています
(SUSCドローンスクール大阪)。