この度MURAMOTO DRONE TERRACEでは、橋梁点検用ドローンとしてSkydio 2+ Enterpriseを導入しました。アメリカのドローンメーカーであるSkydio社の製品で、本国アメリカでは、DJIには及ばないまでも、フランスのParrot社と並んでホビー用ドローンのシェアを獲得しているメーカーです。残念ながら日本国内向けにはホビー用途のSkydio 2+ Consumerは入ってきておらず、産業用途向けのEnterpriseのみが複数の代理店を通して購入できるに止まっています。
ちなみに、アメリカではスターターキットでUS$1,099(≒153,860円)DJIのFly More Comboに当たるシネマキットでUS$1,949(≒272,860円)で販売されているので、価格帯としてはMavic 3のクラスに該当します。
Skydio 2シリーズの特徴としては、Vision-SLAMが搭載されており、機体の上下に3個ずつ計6機のカメラセンサーによって、機体の周囲を撮影し3D画像合成により飛行空間形状をリアルタイムで認識することによって障害物を検知し回避しながらの飛行が可能です。これによって、鉄橋の橋桁下部や鉄塔の内側のような複雑な構造の空間や非GNSS環境下であっても、フライトオペレーターに過度な負担をかける事なく飛行できます。
また、Vision-SLAMを用いた自律飛行機能も充実しており、自律飛行にはGNSSによる測位が必要という常識を打ち壊した先駆者でもあります。
カメラをぶら下げるプラットホームとしてのドローンという観点で見ると、DJIやAutel Robotics製品の方が操縦操作性も各種UIも格段にレベルが上です。飛行作業の安全性を最大限担保するならDJI製品を使いたいのが本音ですが、DJIの小型機では出来ないことが1つあります。それは、真上の撮影です。先の記事で取り上げたDJI Mini 3シリーズも最大仰角が拡大して、使い方の幅が広がったと言う事を述べましたが、それでも最大60度までが限界。先日発売となったInspire 3でも80度、Matrice 300シリーズにアッパーマウントを搭載すると90度の仰角を確保できましたが、機体サイズが大きすぎて橋台への接近や狭所への進入は高い接触リスクに晒されます。
このDJIでは真上が見られない問題を解決してくれるのがSkydio 2+。シリーズとしては2019年に国内向けのSkydio J2初号機が大阪の堺市で初飛行し、その後Skydio J2+を経て、現行のSkydio 2+に至ります。シリーズ共通でカメラの最大仰角は90度で、ジンバルの可動範囲はそれ以上。機体の姿勢に関わらず、メインカメラは真上を向き続けることが可能です。
橋台下部点検用途での飛行の場合、真上が見られると言うのがデータの仕様要求として求められることが殆どなので、それに応えられるプラットフォームは今のことろこのSkydio 2+のみとなります。
Vision-SLAMを用いた高度な自律飛行により、立体構造物の3Dモデリング用途の飛行が可能で、点群処理ソフトウエアもDroneDeployうあPIX4Dなどのサードバーティ製品にも対応しています。
ビジネスシーン向けの認定証取得を目指せる「プロフェッショナルコース」と、趣味でドローンを楽しみたい人に向けた「パーソナルコース」の2コースをご用意。国土交通省登録講習団体にも指定されています
(SUSCドローンスクール大阪)。