Mavic 3のデモ機が届いて約1週間後、航空局に申請していた飛行許可承認書が届いたので、屋外に持ち出しての飛行テスト。DJI Flyがバージョンアップした事で、EXP.(スティックの入力量に対する機体の反応の大きさ)を調整できるようになったので、操作性も幾分改善しました。ある程度レスポンスを操縦者毎の好みに合わせられるようになりました。

制御系の詳細設定画面

2022年1月中にもファームウエアのアップデートが予定されており、そのタイミングで今はまだ有効になっていない分の新機能が使えるようになるとの事。Mavic 3の本格的な運用開始はそれからなのかもしれません。

DJI Mavic 3 Release Notes

Mavic 3は従来型のドローンと比べて人の介在を極限まで少なくして、機体側の制御を優先する傾向の強いドローン。本来の意味での「ドローン」に限りなく近い属性の製品です。

ここからが今回のテーマ。合計10機のカメラセンサーを搭載したMavic 3。そのうちの8機が障害物検知機能の為に搭載されています。

8機のカメラセンサーによる進化した障害物検知システムと衝突予防制御

Mavic 3は「ぶつからないドローン」を実現するための機能面がMavic 2やDJI Air 2Sと比較しても圧倒的に進化しています。

障害物検知用カメラは前後左右こそ共用化されて数が減っていますが、1つのカメラを超広角レンズに変更することにより、4機のカメラで水平360°の視野を獲得しています。下方ビジョンセンサーも水平方向用と同じ仕様のレンズを採用し、ドローンの位置情報取得と周辺監視両方の仕事をしているわけです。

機体上方に向けてもカメラが設置されており、前後4つのカメラで捉えきれていなかった上方向の死角を補っています。

操作は右エルロンのみ。

テスト時の映像は屋内かつ周辺に障害物だらけの環境だったので、若干機体の挙動にも迷いが見えていますが、最終的には適切なコースを辿っているように見えます。

通常の遠隔操作時に障害物検知をフル活用して飛行するAPAS(高度操縦支援システム)はバージョン5.0に。飛行中全ての方向に対して断続的な障害物検知を行い、滑らかかつ迅速に障害物を自動回避しながら飛行します。

プロユーザーがFPVによる空撮を行う場合でも、ライブビューのフレーム外は見えていないので、事前の偵察飛行や画面から見切れる前の状況を記憶して、障害物の位置を把握するなどの対応をしていました。

撮影中に注視しているであろうライブビューには、視覚情報として「障害物がある」と認知した場所にオレンジまたは赤の表示がされ、画面左下(デフォルトではマップ表示になっているので、任意で簡単に変更可能)のレーダーチャート上にも機体を中心とした障害物のおおよその位置が一目でわかるようになっています。

高性能な耐衝突回避機能が搭載されているからと言って油断は禁物。あくまで機械なので100%の効果は保証されていないこと。誰でも安定して簡単に飛ばせるのはメーカーの技術開発の賜物であって、決して操縦者のスキルが上がったわけではない事は肝に銘じておきましょう。ドローンの性能は向上しているのに国土交通省に報告される事故の件数が異常なほど鰻登りなのはそういうことです。

撮影用にも2機を奢る

撮影用に搭載された2機のカメラの仕様詳細については、【DJI Mavic 3 開封〜屋内テストフライト|新製品レビュー】をご覧ください。本稿では、空を飛ぶデジタルカメラとしての使用感を中心にレビューしていきたいと思います。

撮影用カメラはHasselbladから供給を受けたセンサーを搭載。Hasselbladと言うとスウェーデンのイェーテボリ(Gothenburg)に本社を構え、中盤一眼レフカメラの500シリーズがフィルムカメラ愛好家の中では有名ですが、2017年1月にDJI社に買収されています。Mavic 2の発売時点で既にHasselblad社はDJI傘下だったと言う事です。

写真を趣味とする人、プロのカメラマンの視点からするとブランドとしての「Hasselblad」はLeicaと並ぶ舶来高級カメラのイメージが強いため、Hasselbladのカメラが飛ぶと言うインパクトは絶大でした。

Mavic 3では、2台のカメラのうちメインカメラのみがHasselblad製のカメラで、望遠用のサブカメラはDJIの内製品。残念ながら望遠レンズでの撮影では、メインカメラ同等の色表現域は有していません。また、1倍と7倍以外のズーム倍率は2倍と4倍メインカメラの、14倍と28倍はサブカメラのデータをトリミングしているデジタルズームなので、実質撮影に使えるのは1倍と7倍のみになりますが、高所点検業務における7倍ズーム(164mm相当の望遠)のポテンシャルは凄まじく、従来機では過剰に接近してもレンズ性能の関係で拡大描写ができなかった点検対象であっても、大まかな位置関係をメインカメラで調整し点検ポイントを見定めた上で、望遠でよるみたいな使い方も可能です。本来想定されている使い方の真逆の用法ですが・・・

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空撮機としてのポテンシャルはプロ仕様機のInspire 2 + Zenmuse X5SやX7に劣ります。しかし、ハイアマチュアレベルの空撮オペレーターにとって、Mavic 3は必要十分な性能を持ったドローンであるといえます。カラコレに拘りを持っている人であればMavic 3 Cineも選択肢としてアリですが、フルスペックの映像データを処理できるPCを持っていることが前提になります。

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