DJI Mavic 3レビュー

11月5日に発表されたDJI製空撮ドローンの最新機種、DJI Mavic 3のデモ機が入荷しました。広角と望遠カメラ2機掛けの性能や、カタログ記載値46分の実際の航続時間など気になる点が色々あるかと思います。

本日時点では飛行許可と承認が取れていないので、今回はドローンテラスの屋内飛行場で飛行させたレポートです。

Fly More Comboに同梱されている専用バッグ。ギュウギュウ詰めだったMavic 2やMavic Air 2の専用バッグですが、Mavic 3のバッグは少し余裕のある作りになっていました。

まずは外観と質感

Mavic 3はスタンダードキットでも253,000円の高級機になってしまいましたが、製品としての質感はどうかというと、Mavic 2より機体の質感はよくなっていること、あと機体本体が軽いことが特徴です。

飛行重量はMavic 3(L2A)で895g、プロスペック仕様のMavic 3 Cine(L2P)で899gと、先代Mavic 2よりも軽量化に成功しています。バッテリーを抜いた機体本体の重量はMavic 3 = 566.5g(この個体は少し重い)Mavic 2 Zoomの604gと比較しても、機体を徹底的に軽量化していることがわかります。

Mavic 3の商品価値は、高画質の映像データ取得と併せて更なる長時間飛行に開発陣の拘りがある様に感じます。

先述の通り、Mavic 3はMavic 2に対して約37gの軽量化を施していますが、飛行重量は対Mavic 2 Zoomで10gのマイナスに留まります。増えた部分がある訳です。

カタログ値46分の連続飛行時間を実現するために、バッテリー容量が3850mAhから5000mAhに増大、これに伴い電力容量が77Whに増加しています(容量増加に伴う飛行機への持ち込み数制限はありません)。バッテリー自体の重量も333gに増大していますが、機体本体の軽量化も相まって、トータルの機体重量が集中するため、機体の機動性やエネルギー効率はMavic 2に対して大きく向上しています。

カタログ値46分とされる航続可能時間の実態は?

カタログに記載されている46分という連続飛行可能時間は実際に到達可能なのか?という疑いの目で見ていきたいと思います。

車の燃費と同じ様に、カタログに掲載値の7掛けくらいにと考えている人も少なく無いかとは思いますが、実際カタログ値の何%くらいの飛行が可能なのかのデータは目安として持っておいた方がいい事に越したことはありません。

今回は飛行許可が取れていないということで、ドローンテラスの大コートと小コート2つを使って、連続飛行時間のてっすとをしてみました。

飛行条件は以下の通り、

  • 屋内(場所により空調の風が当たる)
  • 気温22℃
  • GNSSの受信無し
  • VPS有効
  • 障害物センサー無効
  • 50%くらいホバリング / 残りは適当に動き回る
  • 写真を5枚撮影
  • バッテリー残量10%以下の重度の定電圧警告が出るまで飛び続ける

ドローンを飛ばす環境としては、気温は申し分ない状態だったので、飛ぶわ飛ぶわで電池切れを待つのが大変でした。その結果の飛行時間は…

34分!!

ローバッテリーアラートが出る残量15%の段階でもまだ10分以上飛ぶことができて、重度の定電圧警告が出た残量10%の段階で航続可能時間の表示は9分ほどだったので、40分は飛ぶ能力がある様です。最大飛行時間とは別に最大ホバリグ時間が40分とあるので、ある程度信用に値する数値かもしれません。安全面を考慮すると1バッテリーの実用飛行時間は30分が目安になるかと思います。

Fly More Comboに同梱されるバッテリーは全部で3本、計90分の実飛行時間を確保できます。同じ飛行時間を従来機で確保しようとすると、Mavic 2(実用21分)でバッテリー5本、Mavic Air 2(実用23分)で少なくとも4本は必要なので、持ち運ぶ荷物を減らすこことやバッテリー充電の手間を省くことにつながります。

最大の特徴である二眼カメラ

Mavic 3の外観上の特徴でもあるジンバルカメラ。先代Mavic 2は1inch 20MPのCMOSセンサーに絞り機構のあるカメラを採用したMavic 2 Proと1/2.3inch 12MP CMOSセンサーに光学ズームレンズを搭載したMavic 2 Zoomの2種構成で、開発当初予定されていたカメラモジュールの交換機構は実装されませんでした。よって、どちらの性能も捨てがたいとProとZoomの両方を揃えるドローンオペレーターを量産する結果となってしまいました。

同時に2機のドローンを購入しないといけないという心配はMavic 3では不要です。

Mavic 3に搭載されているHasselblad L2D-20cジンバルカメラモジュールは4/3 inch 20MP CMOSセンサーを搭載。Mavic シリーズで初めて1inchを超えるセンサーサイズが採用されました。

スウェーデンのカメラメーカーであるHasselbladがMavic 2 Pro以来2機種目のカメラサプライヤーとして空撮カメラの設計を行いました。絞り機構も搭載し、NDフィルターを使用せずともある程度の光量調整の幅も持たせてあります。

写真の最大サイズは5280×3956pxのJPEGとDNG(RAWデータ)を、動画データは最大5.1Kサイズが撮影できます。プロセッサの処理能力が強化された事により、5.1Kサイズの動画はフレームレートが50fpsまで、4Kサイズはスローモーション撮影が可能な120fps、従来機からスロー撮影が可能だったFull-HD(1080p)は200fpsまで対応ているので、映像編集の幅が広がりました。

プロユーザーやカラーコレクションを拘りたい方に嬉しい10-bit D-Logに対応し、より高精細なカラーグラデーションの表現が可能です。また、Mavic 3のプロ仕様機種であるMavic 3 CineではApple ProRes 422 HQコーデックに対応し、最大ビットレート3772Mbpsを実現しました。

カメラモジュールの情報に搭載されているもう一つのカメラは162mm(35mm判換算)の望遠レンズを搭載しています。

撮影用より探索用という位置付けで搭載されている様で、遠くにある被写体をズームで確認できたり、撮影対象から距離をとって撮影したい場合の使用を想定しています。Mavic 2 Zoomのように、撮影中にズーム操作により映像の圧縮表現(ドリーズーム等)を行うことは想定していない様です。

Mavic 3の操作性|DJI RC Proの使用を前提

Mavic 3の操作性は、Mavic Air 2やDJI Air 2Sの操作性を踏襲しています。ドローンの自律制御機能が積極的に介入してくる仕様の制御システムを採用しています。ホビー用に傾倒しているMavic Airシリーズであれば、自律制御の積極介入は操縦操作をサポートしてくれる頼もしいシステムですが、性能面や機体価格面からどちらかと言うとプロユーザーやアマチュアのハイエンドユーザーに向けた製品である事から、操縦操作に対しての介入の有無を選択できるような設定があれば良いなと言うのが、実際に飛ばしてみた印象です。

送信機がMavic Miniシリーズ、Airシリーズで採用されているものと同じものが採用されています。上位機種のコントローラーとしては少しチープ感は否めませんが、DJIの本音は「DJI RC Proを使ってください。」なのでしょう。

DJI RC Pro|¥132,000

現在DJI RC ProはMavic 3シリーズにのみ対応しています。尚、Mavic 3はDJIスマートコントローラーへの適合はありません。

全方位有効のビジョンセンサー

Mavic 3の障害物検知用カメラセンサー

Mavic 3は衝突予防システムも大きく進化しました。障害物検知方向は上下左右の全方向に対して、カメラセンサーを搭載しています。

左右向きのカメラセンサーは撤去されていますが、機体本体の対角状に設置した広角カメラによって水平方向に対して360°の視野を確保、下方はVPS用のカメラセンサーと兼用、上方に向けてもデュアルカメラセンサーを搭載し、

Mavic 3は無人航空機

Mavic 3は飛行重量895gなので航空法で無人航空機に分類されます。高度な安全機能が搭載されているからといって自由に飛ばせるわけではありません。原則飛行禁止場所以外で定められた方法によって飛行させる必要があります。

航空法の定めを逸脱する場合は、国土交通省航空局へ飛行許可または飛行の承認を申請し、「無人航空機の飛行に係る許可・承認」を取得する必要があります。

【ドローンの飛行ルール】

【飛行許可・承認申請審査要領】

開封のレポートはここまで。飛行許可と承認が得られてから実際の空撮オペレーションを踏まえたレビューを行いたいと思います。

第2部をお楽しみに。

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