ドローンの資格・免許・ライセンス・認定証

第1部|「資格」と「認定証」

2015年末に行われた航空法の改正施行により追加されたドローン規制。ドローン規制の施行と同時に爆発的に増えた管理団体と講習団体、これらに付随するドローンスクールと無人航空機の操縦技能認定。2021年7月現在、国土交通省ホームページに掲載されている管理団体が63、講習団体に至っては1,099が存在し、それぞれに講習プログラムを実施、講習の修了者に対して管理団体が無人航空機の操縦技能認定証を発行する。と言うのが、今のドローンの技能認定制度です。

ドローンスクールを修了することによって得られる、「技能認定証」とはどう言ったものなのか。そして、2022年ついに運用されることになった無人航空機の「ライセンス・免許」制度について今回は解説していきます。

「資格」という単語の意味

この記事をご覧いただく上で押さえていただきたいポイントが一つあります。それは、「資格」という単語の意味です。辞書には「ある事して良いと言う身分や地位。また、それを得るのに必要な条件(Oxford Languagesより)」と記載があります。複数の辞書を見比べても大方同様のニュアンスで記載されています。

この「資格」は自動車や船舶、航空機などの運転免許や免状、医師や士業などの国家資格が該当します。対応する資格を保有せずに業務を行うと違法行為となるものが該当する所謂「国家資格」というものです。

英語検定や漢字検定、TOEICの各種検定や、各種スキル証明などは「民間資格」にあたり、資格を持っていてもいなくても業務遂行に際して法的に何ら影響のないものが該当します。この民間資格は厳密には「資格」には該当しません。

これをドローンに当てはめると、真の意味での「ドローンの資格」は2021年現在、日本には存在しないことになります。

操縦技能認定

ドローンスクールを修了すると取得できる操縦技能認定。現時点でこれからドローンを始めるにあたって最初に通る道かもしれません。

「ドローンの資格」は存在しないと言いました。では数あるドローンスクールが出しているアレは何なのかというと、「講習を受けて基礎的なドローンの操縦技術と飛行ルールに関する知識を獲得した」ことを、民間団体が証明する証明書で、「民間資格」の1つです。

ただ、他の民間資格とは異なり、実際にドローン規制に抵触する飛行を行う場合に取得する必要のある「無人航空機の飛行に係る許可承認書」の申請時に、回転翼航空機の操縦経歴と飛行運用に関する知識を優しているという証明に実際に利用できると言う利点があります。この点は、他の多くの民間資格と異なるポイントです。

ドローン規制の概要はこちら

ドローンの【技能認定】いろいろあるけど…

国土交通省ホームページに掲載されている63の管理団体。この全てが技能認定を行っているのかは定かではありませんが、数多くの団体が国土交通省の許可承認申請審査要領をベースに技能認定証を発行していますが、この全てが飛行経歴10時間の証明と飛行形態毎の訓練経験の証明を行うものです。

  • 認定証を取得すると全てが付随されるもの。
  • 認定を階級分けして、上位級を取得すると認定項目が追加されるもの。
  • 飛行形態毎の認定がオプションとして別途補講を受けて追加認定されるもの。
  • そもそも飛行形態に対する認定の無いもの。

おおよそこの4種類に分類できます。

尚、MURAMOTO DRONE TERRACEのSUSC無人航空機操縦技能認定コースは2つ目の「認定を階級分けして、上位級を取得すると認定項目が追加されるもの」に該当します。2級認定を取得すれば、物件投下以外の飛行形態認定を含めた認定証を取得できます。

SUSC証書SAMPLE

認定証を持っていないと仕事としてドローンを飛ばせないのか?

認定証を持っていないと仕事としてドローンを飛ばせないのかと言うと、少なくとも日本でそんなことはありません。反対に、認定証しか持っていないと仕事どころか趣味でもドローンを飛ばせないことが多々あります。ちなみにアメリカでは、業務としてドローンを運用する場合は連邦航空局への届け出が必要です。

日本でドローンを飛ばすために持っていないといけないのは、飛行場所や飛行形態に合わせた飛行許可承認書で、これが無いと違法飛行となって処罰の対象になってしまいます。

ドローンスクールで学べるのはあくまで基礎の部分のみで、例えば「空撮がしたい」と言う場合は、狙ったフレーミングを行う為の繊細で滑らかなスティックコントロールが必要ですし、何より絵心が大切。「測量をしたい」となると、今度は手動操縦の技術よりデータの集め方や効果的な自律飛行計画の構築が重要になったりと。ドローンの利用分野によって異なるわけです。

みゆきビーチ空撮写真
©︎ Y.Fujinaga / Slainte-avi.

飛行を行う際に適用されるドローン規制に勘付ける能力は仕事でドローンを飛ばすにも遊びでドローンを飛ばすにも役立つ能力です。この能力は、やはり多くの情報に触れて、色々なシチュエーションでドローンを飛ばしてきて得られるもので、学校で教わるものではありません。

しかし、遊びでも仕事でも、空撮、点検、測量でも、守るべき飛行ルールは全て共通なので、基礎を抑えることはどの分野においても重要な要素になります。

必要なのは航空局が発行する飛行許可承認書

航空法上の規制の及ばない屋内を除き、飛行場所や飛行形態によって必ずと言っていいほど航空局が発行する飛行許可承認が必要になります。航空局への申請時に無人航空機の操縦経歴や申請しようとする飛行形態毎の訓練経歴の証明が必要で、この証明資料として、講習プログラムを終了すると得られる技能認定証が効力を発揮するというわけです。

なお、飛行許可や承認が無いまま無人航空機を飛行禁止場所で飛行させたり、定められた方法以外で無人航空機を飛行させた場合は航空法違反として処罰の対象となります。

飛行許可承認書の例
飛行許可承認書の例

2022年に免許制度がスタートすると今取った技能認定証はどうなる?

2022年の航空法改正施行により、無人航空機のライセンス制度が導入されます。この時に導入されるライセンスは特定条件下での飛行を行うのに必要なライセンスであり、ドローンの操縦免許として扱われます。この操縦ライセンス制度については、第2部にて詳しくご紹介します。

ライセンス制度施行後の操縦技能認定の扱いは、ただの紙切れになってしまうわけではなく、引き続き運用される無人航空機の飛行許可承認制度において、操縦訓練経歴と飛行形態毎の訓練経歴証明として有効であり、現行の許可承認制度がほぼそのまま運用され続けます。

よって、今講習を受けて認定証を取得したとしても無駄になることはありません。また、すでに技能認定証を取得しているオペレーターが操縦ライセンスを取得する際、一定の考慮をするとの事。この点は、現時点では不確定要素となってしまっています。

ライセンス制度が始まってもすぐに取得できるわけではない

無人航空機の操縦ライセンス制度は、主に規制強化によって当初は行えていた飛行形態が実施できなくなってしまった現状を緩和するためのライセンスの発行が主たる目的であり、この恩恵をえる業種も限られます。

本来禁止されている飛行形態が再び行える様になるため、飛行許可承認審査のように10〜20時間程度の飛行経歴ではそもそも受験資格すらない可能性は十分にあります。

今から飛行経歴を積んでおくためにも、実際にドローンを使うところからまず初めてみてはいかがでしょうか?

第2部は新しく施行されるライセンス制度の中身について解説します!

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