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ドローン法制化から10年の歩み Vol.2|紙からDIPS2.0へ

2025年は大幅なドローンの規制強化が敷かれてからちょうど10年になる年。この10年間でどのような変化が起こり、ドローンに纏わる法制度や社会環境がどう変わっていったのかを振り返ってみたいと思います。

いつまで続くのかは、筆者の頑張りとやる気次第。ではあるものの、2015年の航空法改正施行からちょうど10年となる12月15日までの間、シリーズでお届けしたいと思います。

第2回は、特定飛行にかかる申請手続きについてです。飛行許可承認制度が始まって以降、どんどん増える飛行前の手続き。用意されたプラットホームのUIは全然ダメと前途多難。法制化10年を前に電子申請でようやく翌日許可が実現されました。

紙申請の苦悩

2015年末の航空法改正施行に合わせて、ドローンの飛行許可承認制度が始まりました。制度施行当時はDIPSなどのオンライン申請のシステムはまだ無く、申請書や添付資料は紙で提出。メーカー品が少なかった当時は構成部品のメーカーが全て異なることもよくあり、機体、送信機、受信機、フライトコントローラー、ESC、モーターetc… 全ての取扱説明書を添付していると、A4用紙が積もり積もって数百枚、郵送より宅配便で送った方が送料が安いみたいな事が多発していました(筆者の記憶)。

以降、紙による申請しか受け付けてくれない期間が2年程続きましたが、メールでの予備申請を受け付けてくれるようになったり、添付書類を省略できる機体としてDJI機の多くが指定されたこともあって、航空局に送付する書類は次第に少なくなってきました。

2018年に飛行許可承認の電子申請がスタート、ドローン情報基盤システム(DIPS)がリリースされ、許可・承認条件の複合が無い基本的な申請はWeb上で完結するようになりました。

膨大な枚数に及ぶ申請書作成から解放されたので、ドローンの飛行許可取得のハードルは大きく低下しました。

飛行計画通報制度導入

飛行許可承認制度に加えて飛行計画通報制度が2018年に施行され、飛行計画通報システム(FISS)がリリースされました。飛行許可・承認を受けて飛行させる(現行制度における特定飛行)を行う場合、事前に飛行場所や機体情報の通報が必要になりました。飛行にかかる基本的な手続きは、この飛行計画通報制度の導入を以って現行制度の形になりました。

当時のFISSは問題も多く、基本的にはDIPSで通報を行う現行システムと仕様同様ですが、サイトが重い、スマートディバイスに対応していないなどのUIの悪さもあって、ユーザーからの評判は良くありませんでした。

機体登録の義務化

2022年6月から、無人航空機の登録が義務化されました。同時に無人航空機の対象も200g以上から100g以上に拡大され、当時国内のドローンユーザーから人気を博していたDJI Miniシリーズもドローン規制の対象となりました。また、義務化された機体の登録は有料で、すでに機体登録が義務化されていたアメリカの倍の登録費用が必要となり、地味ながら複数機保有しているドローンユーザーには手痛い出費です。

この法改正によりホビーユーザーが撤退するきっかけになってしまい、後発のドローンの操縦を特殊技能にしたい層が多数派になったタイミングでもあります。

機体の登録はドローン登録システム(DRS)上で行うことが可能で、オンライン申請が基本ですが必要に応じて書面での申請も可能でした。

カオスからDIPS2.0へ

飛行許可の申請はドローン情報基盤システム(DIPS)、飛行前通報には飛行情報共有機能(FISS)と2つのシステムを別々に使用しなければならなかったドローンユーザー。登録情報はDIPSから読み込んだ上で運用することも可能になりましたが、バグが多くUIに問題があるシステムであったことに違いありません。2022年6月の機体登録義務化以降はドローン登録システム(DRS)が追加され、3つのシステムが別々に稼働しているカオスな状態に。それぞれに登録した機体や操縦者に関する情報の共有に難があった為、結局三者三様の情報入力が必要でした。

2022年12月の「無人航空機操縦者技能証明」制度の導入に際して、現行のドローン情報基盤システム(DIPS2.0)に統合されましたが、統合というよりDIPS、FISS、DRSの機能を持った新たなシステムを作ったと言った方が正確です。DIPS2.0に14億円以上の費用がかけられたとか。。。今でこそ初心者でも比較的使いやすいUIにアップデートされていますが、リリース当初はある程度ドローンの運用に関する制度を理解していないと使いにくいシステムでした。

2025年中に旧システムの運用は完全に終了します。

遅すぎた翌日許可書発行

2025年3月に、飛行許可承認の審査要領が改定され、操縦者技能証明の添付も原則不要になりました。公的技能証明制度の施行と技能認証制度の終了に伴なう措置であると想定されます。

同時に、機体の追加基準に関する項目も申告が不要となり、これにより審査側のプロセスも簡略化・機械化され、審査担当者の匙加減が反映されていた部分が排除される事が期待できます。本来、AIに審査させるのがベストだと思うのですが、それは少し先になるかもしれません。

2025年の審査要領改定で申請から許可書発行までの期間が大幅に短縮され、一般的な飛行方法を含む包括申請(DID、第三者近傍、目視外、夜間)を行った場合、最短1日で許可書が発行させる様になりました。

次章は、ドローンに関する「資格」2023年に制度施行された無人航空機操縦者技能証明について、

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